
「夜勤なしで、子どもの成長をそばで見守れる仕事はないだろうか…」
病院で働く中、子どもの誕生をきっかけに、これまでのように夜勤を続けることが難しく感じることがあるかもしれません。そんなとき、夜勤のない保育園看護師という働き方が気になり始めることもあるでしょう。
ただ、転職を考え始めると、
「小児科の経験がないと難しいのでは…?」
「給料はどのくらいもらえるの?」
「保育園の雰囲気ってどんな感じ?」
と、さまざまな不安が浮かんでくるものです。
そこでこの記事では、同じように悩む30代のママ看護師に向けて、保育園看護師の仕事内容や給料事情、転職に関する疑問などをわかりやすくまとめました。
読むことで、保育園看護師への転職が本当に自分に合っているのか、具体的なイメージを持つことができるはずです。
新しい働き方を見つける一歩を踏み出してみませんか?
1.保育園看護師の仕事内容と1日の流れ
保育園看護師の仕事は、子どもたちの健康管理をするだけではありません。
保育のサポートや、保護者の育児相談に乗るなど、多岐にわたります。まずは、保育園で働く看護師はどんな役割を担っているのかを知っておきましょう。
知っておきたい!保育園看護師の役割
保育園看護師の主な仕事は、子どもたちが1日を安全に、そして健やかに過ごせるようにサポートすることです。
- 健康チェック: 登園してきた子どもたちの体温、顔色、機嫌などをチェックし、健康状態を把握します。
- ケガや病気の応急処置: 園内で子どもが転んだり、体調を崩したりした場合に応急処置を行います。
- 感染症対策: 手洗いうがいを指導したり、おもちゃや遊具の消毒を徹底したりして、感染症の拡大を防ぎます。
- 服薬管理: アレルギーや慢性疾患などで薬を服用している子どもに対し、薬の管理や服薬の介助を行います。
- 保護者への連絡: 子どもの体調が悪い場合に、保護者に連絡し、受診を勧めるなど適切な対応を促します。
保育園看護師の1日のスケジュール例
保育園看護師の1日は、子どもたちの活動時間に合わせて変化します。
施設によってはシフト制を導入しているところもあり、早番や遅番など勤務時間帯が異なる場合があります。
以下は0歳児クラス担当のスケジュール例です。
0歳児クラス担当の場合
- 8:30 出勤、園児の健康状態の確認
- 9:00 授乳、おむつ交換
- 10:00 遊びの見守り
- 11:30 離乳食の準備、食事の介助
- 12:30 午睡の見守り
- 15:00 おやつ
- 16:00 保護者へ連絡帳の記入
- 17:00 退勤
上記はあくまで一例です。子どもの人数や保育園の方針によってスケジュールは異なります。
2.保育園看護師の給料事情
「夜勤なし」の働き方に魅力を感じる一方で、「給料が大幅に減ってしまうのでは…」と不安に思っている方もいるのではないでしょうか。
保育園看護師への転職を考える上で、給料は生活設計を左右する最も気になるポイントの一つですよね。
そこで、ここでは保育園看護師の給料事情について、具体的な数字を交えながら詳しく解説していきます。
まず、保育園看護師の給料は、一般的に病院勤務の看護師より低い傾向にあることを覚えておきましょう。
これは、保育園の運営費が病院に比べて少ないことや、夜勤手当や残業手当などが支給されないことが主な理由として挙げられます。
しかし、一概に「低い」と言っても、経験年数やスキル、勤務する地域、雇用形態などによって、実際の給料は大きく異なります。
平均年収はどのくらい?
保育園看護師の平均年収は、300万円〜400万円程度と言われています。
これはあくまでも全国平均であり、勤務する地域や保育園の種類によって差があります。
例えば、都市部では人手不足が深刻なため、地方に比べて給料が高めに設定されていることがあります。また、認可保育園は、認可外保育園に比べて給料や待遇が良い傾向があります。
年齢別の給与モデルケース(30代、40代など)
より具体的なイメージを持ってもらうために、年齢別の給与モデルケースをご紹介します。
- 30代で経験5年の看護師が保育園に転職した場合: 年収は350万円程度が目安となります。
- 40代で経験10年の看護師が保育園に転職した場合: 年収は400万円程度が目安となります。
これらの数字はあくまでも目安であり、実際の給料は、保育園の規模や経営状況、あなたのスキルや経験によって異なります。
正社員以外の働き方(パート、派遣)の給与と待遇
「正社員として働くのは難しいけど、パートや派遣なら…」と考えている方もいるかもしれません。保育園看護師は、正社員以外に、パートや派遣という働き方を選ぶこともできます。
- パート: 時給制で、勤務時間や日数を調整しやすいのが特徴です。扶養範囲内で働きたい方や、短時間だけ働きたい方におすすめです。時給は1,200円〜1,500円程度が相場です。
- 派遣: 派遣会社に登録し、保育園に派遣されるという働き方です。時給はパートよりも高く、1,500円〜2,000円程度が一般的です。ただし、雇用期間が定められている場合が多く、安定した働き方を求める方には不向きかもしれません。
パートや派遣の場合、正社員に比べて給与や待遇が劣ることがあります。ボーナスや昇給、交通費などが支給されない場合もあるので、事前にしっかりと確認しておきましょう。
3.保育園看護師のメリット・デメリット
保育園看護師には、病院勤務とは異なるメリットとデメリットがあります。転職してから「こんなはずじゃなかった…」と後悔しないためにも、良い面と大変な面、両方を知っておきましょう。
保育園看護師として働くメリット
ワークライフバランスの実現
保育園は基本的に日勤のみで、夜勤はありません。土日祝日が休みの保育園も多いので、規則的な勤務時間で働くことができます。病院勤務で不規則な勤務時間に悩んでいるあなたにとって、ワークライフバランスが実現できることは大きなメリットです。
子どもたちの笑顔に囲まれて、やりがいを感じられる
保育園看護師として働く上で、子どもたちの笑顔は何よりの活力剤。
昨日までできなかったことが今日はできるようになった、そんな子どもたちの成長を間近で見守ることができたりと、日々の業務の中で、たくさんのやりがいを感じられます。
赤ちゃんで入園した園児がつかまり立ちができるようになり一歩踏み出したり、「せんせい」と呼んでくれるようになったり。
そんな成長の瞬間を間近で見守れるのは、保育園看護師ならではのやりがいです。日々の業務の中で、子どもたちの変化を感じるたびに、喜びや感動が生まれます。
「子どもが好き」という気持ちをストレートに仕事に活かせるのは、保育園看護師ならではの魅力と言えるでしょう。
医療行為が少ないからこそ、精神的なゆとりを持って働ける
病院勤務では、常に高度な医療知識や技術を求められ、緊張感の連続で精神的な疲労を感じる方もいるかもしれません。
保育園では病院と比べて医療行為を行う頻度は少なく、子どもたちの健康管理や保育サポートが中心となります。もちろん、ケガや急病への対応は必要ですが、高度な医療スキルを求められる場面は限られています。
そのため、「医療行為に追われる毎日に疲れてしまった」という方にとって、精神的なゆとりを持って働くことができるのは、大きなメリットと言えるでしょう。
子どもたち一人ひとりとじっくり向き合い、丁寧なケアをしたいという方にもおすすめです。
保育園看護師として働くデメリット
病院勤務と比べて、給与が低い傾向がある
保育園看護師の給与は、一般的に病院勤務の看護師と比べて低い傾向にあります。これは、保育園の運営費が病院に比べて少ないことや、夜勤手当などが支給されないことが理由として挙げられます。
そのため、転職によって収入が減ってしまう可能性があることは、事前に理解しておく必要があります。
医療行為を行う機会が少なくスキル維持への不安
保育園では病院のように高度な医療行為を行う機会は少ないため、これまで培ってきたスキルを維持できるか不安に感じる方もいるかもしれません。
特に、救急対応や手術介助など、専門的なスキルを活かしたいと考えている方にとっては、物足りなさを感じることもあるでしょう。
病院に比べてキャリアパスが限られている
「将来的に、専門看護師や認定看護師を目指したい」
「管理職としてキャリアアップしたい」
このように考えている方にとっては、保育園はキャリアパスが限られていると感じるかもしれません。
病院では、様々な部署を経験したり、専門的な知識やスキルを身につけたりすることで、キャリアアップを目指すことができます。しかし、保育園では、そのようなキャリアパスは一般的ではありません。
看護師が1人しかいない場合、責任が重くなる
保育園によっては、看護師が1人しか配置されていない場合があります。そのような場合、子どもの急な体調不良やケガなどが発生した際には、自分で判断して適切な対応をしなければなりません。そのため、責任感が強く、判断力に自信がある方でなければ、精神的な負担が大きくなってしまう可能性があります。
4.保育園看護師に求められるスキル・知識
保育園看護師として、子どもたちの健やかな成長をサポートするためには、どのようなスキルや知識が求められるのでしょうか。
役立つスキル:コミュニケーション能力と臨機応変な判断力
保育園看護師には、高いコミュニケーション能力と的確な判断力が求められます。
なぜなら、子ども一人ひとりの個性や発達段階を理解し、適切に関わるだけでなく、保育士や保護者と連携しながら健康状態や成長に関する情報を共有する必要があるためです。
例えば、子どもの体調は急に変化します。その際、素早く状況を判断し、適切な対応を取ることで、子どもが安心して過ごせる環境を守ることができます。
そのため、保育園看護師には、周囲と協力しながら子どもの健康を支える力が欠かせません。
役立つ知識:小児科、アレルギー
保育園看護師として働く上で、子どもの病気やケガ、アレルギーに関する知識は欠かせません。
- 小児科: 子ども特有の病気や症状、発達段階に応じたケアの方法などを理解しておく必要があります。
- アレルギー: 食物アレルギーを持つ子どもは年々増加傾向にあります。アレルギーの原因となる食物や症状、緊急時の対応などを正しく理解しておくことが大切です。
- ケガの手当: 擦り傷、切り傷、打撲、捻挫など、保育園で起こりやすいケガの種類や、適切な応急処置の方法を習得しておく必要があります。
病院での経験は保育園でどう活かせる?



「病院でしか働いたことがないから、保育園では役に立たないかも…」
そんな不安を感じている方もいるかもしれません。しかし、病院で培ってきたスキルや経験は、保育園看護師としても十分に活かすことができます。
病院経験を保育園で活かす具体例
- 健康管理: 病院で培ってきた観察力や判断力は、子どもたちの健康状態を把握する上で役立ちます。
- 応急処置: ケガや急病に対する応急処置の経験は、保育園でも活かせます。
- 感染症対策: 病院で学んだ感染症対策の知識は、保育園での感染症予防に役立ちます。
- 急変時の対応: 病院で培ってきた急変時の対応力は、保育園でも役立ちます。
- 医療知識: 病院で学んだ医療知識は、保護者からの相談に対応したり、保育士にアドバイスをしたりする際に役立ちます。
小児科未経験でも大丈夫?



「小児科の経験がないから不安…」
確かに、小児科での経験があれば、子どもの病気や発達に関する知識を持っているため、保育園看護師としてスムーズに仕事を始めることができるかもしれません。
しかし、小児科未経験だからといって、諦める必要はありません。
保育園看護師の仕事は、子どもの健康管理だけでなく、保育のサポートや保護者への育児相談など、多岐にわたります。そのため、小児科の知識だけでなく、コミュニケーション能力や、子どもが好きという気持ちも非常に重要な要素となります。
入職後に、研修制度や先輩看護師からの指導などを通じて、必要な知識やスキルを身につけることも可能です。
保育園看護師に向いているタイプとは?
保育園看護師に向いている人には、いくつかの共通点があります。
子どもと関わる仕事だからこそ、求められる要素も多いですが、特に次のような特徴を持つ人が活躍しやすいでしょう。
- 子どもが好き
- コミュニケーション能力が高い
- 責任感がある
- 手先が器用で、もの作りが好き
保育園看護師には、子どもが好きであることはもちろん、何よりも子どもたちの命と健康を守る責任感が必要です。
子どもたちと一緒になって製作活動を楽しむ場面や、季節ごとの壁面飾りを作ることもあります。手先の器用さや、もの作りが好きということも、保育園で働く上で大きな強みとなるでしょう。
5.保育園看護師の求人探しと転職を成功させる方法
保育園看護師として働くイメージが少しずつ具体的になってきたら、次に気になるのは「どうやって求人を探せばいいのか」という点ではないでしょうか。
転職を成功させるためには、自分に合った職場を見つけることが大切です。ここでは、理想の職場を見つけ、スムーズに転職を進めるための具体的な方法を紹介します。
保育園看護師の求人を探すポイント
せっかく転職するなら、長く安心して働ける職場を見つけたいですよね。そのためには、求人を探す際にいくつかのポイントを押さえておくことが大切です。
看護師の配置人数
まず確認したいのが、看護師の配置人数です。看護師が複数名いる保育園であれば、困ったときに相談できる相手がいるため、安心して働くことができます。一方、看護師が1名の保育園では、責任は大きくなりますが、その分、子どもたちの健康を守る重要な役割を果たすことができ、大きなやりがいにつながります。
保育方針
保育方針も重要なポイントです。モンテッソーリ教育、自然保育、英語教育など、保育園によって様々な特色があります。自分の考え方や価値観と合った保育方針の保育園を選ぶことで、より楽しく、充実した毎日を送ることができるでしょう。
待遇・福利厚生
働く職場を選ぶ際は、給料や待遇などの条件面もしっかり確認することが大切です。具体的には、以下の点をチェックしましょう。
- 給与:月給、賞与、昇給の有無
- 手当:通勤手当、住宅手当、扶養手当など
- 休日:土日祝日、年末年始、夏季休暇など
- 子どもの看護休暇:取得しやすい環境か
特に、子どもの看護休暇が取得しやすい職場を選ぶことは重要です。なぜなら、子どもは急に体調を崩すことが多く、看護師として働きながら育児を両立するには、柔軟に休める環境が欠かせないからです。
例えば、労働基準法では「小学校就学前の子どもがいる場合、1年間で最大5日(2人以上なら10日)」の看護休暇が認められています。しかし、職場によっては無給でしか取得できなかったり、制度自体が整っていないケースもあります。一方、有給で取得できたり、突発的な休みにも理解がある職場なら、安心して働き続けることができるでしょう。
そのため、転職の際は「看護休暇の有無」「有給か無給か」「急な休みに対応できる職場か」を事前に確認し、長く働ける環境を選ぶことが大切です。
勤務時間
勤務時間は、生活のリズムや働きやすさに直結するため、しっかり確認することが大切です。
特に以下のポイントをチェックしましょう。
残業の有無:発生頻度や時間外手当の支給状況これらの条件は、あなたの生活に大きく影響するため、妥協せずにしっかりと確認することが大切です。
- 残業の有無:発生頻度や時間外手当の支給状況これらの条件は、あなたの生活に大きく影響するため、妥協せずにしっかりと確認することが大切です。
- 1日の勤務時間:フルタイム or 短時間勤務が可能か
- 休憩時間:しっかり確保されているか
転職前に「実際の勤務環境」について確認することで、納得のいく職場選びができます。
例えば、私の職場では6年間休憩時間がなかったものの、今年度からようやく昼休憩がもらえるようになりました。以前は、休憩なしが当たり前になっていましたが、改めて考えると、しっかり取れる環境の方が健全です。
求人情報だけではわからないことも多いため、面接時に「休憩時間はどのように取られていますか?」と聞くのは大切なポイントです。
転職成功のための具体的なステップ
理想の求人を見つけたら、いよいよ応募です。ここでは、転職を成功させるための具体的なステップを解説します。
履歴書・職務経歴書の書き方:保育園に特化したアピールポイント
履歴書や職務経歴書は、あなたの第一印象を決める大切な書類です。保育園に特化したアピールポイントを盛り込むことで、採用担当者の目に留まりやすくなります。
- 自己PR: これまでの看護師経験で培ってきたスキルや知識の中で、保育園で活かせるものを具体的にアピールしましょう。(例: 「病院勤務で培った観察力で、子どもの体調変化にいち早く気づき、適切な対応ができます。」)
- 志望動機: なぜ保育園看護師として働きたいのか、熱意を伝えましょう。(例: 「子どもたちの笑顔に囲まれて、成長をサポートできる保育園看護師という仕事に魅力を感じています。」)
転職サイト、エージェントの活用:選び方の注意点と比較ポイント
転職サイトや転職エージェントは、数多くの求人情報を掲載しており、あなたの希望に合った求人を見つけやすくしてくれます。また、履歴書や職務経歴書の添削、面接対策など、転職活動全般をサポートしてくれるサービスもあります。
- 転職サイト: 自分のペースで求人を探したい方におすすめです。
- 転職エージェント: 転職のプロに相談しながら、効率的に転職活動を進めたい方におすすめです。
どちらを選ぶにしても、以下の点に注意して、自分に合ったサイトやエージェントを選びましょう。
- 求人数: 掲載されている求人数が多いほど、選択肢が広がります。
- サポート体制: 履歴書添削、面接対策などのサポート体制が充実しているか確認しましょう。
- 得意な分野: 看護師専門、保育士専門など、得意な分野があるかどうか確認しましょう。
面接対策、自己PRのポイント
面接は、あなたの熱意や人柄を直接伝えることができる貴重な機会です。自信を持って面接に臨むために、しっかりと対策をしておきましょう。
- よく聞かれる質問:
- 「なぜ保育園看護師を目指そうと思ったのですか?」
- 「保育園看護師として、どのようなことを大切にしたいですか?」
- 「あなたの強みは何ですか?」
- 「当園について、何か質問はありますか?」
- 自己PR:
- これまでの看護師経験で培ってきたスキルや知識を、保育園でどのように活かせるのか具体的に説明しましょう。
- 自分の長所や短所、保育園看護師として働くことへの熱意などを伝えましょう。
- 面接での注意点:
- 清潔感のある服装を心がけましょう。
- ハキハキとした声で、丁寧に話しましょう。
- 面接官の目を見て、自信を持って答えましょう。
- 質問には正直に、誠実に答えましょう。
これらのポイントを押さえて、自信を持って面接に臨めば、きっと良い結果につながるはずです。
まとめ
保育園看護師への転職を考えている方に向けて、夜勤なしの働き方や転職成功のポイントをまとめました。
看護業務だけでなく、保育のサポートや育児相談など役割は多岐にわたります。病院勤務より給料が低い傾向はありますが、ワークライフバランスを重視し、子どもたちの成長を支えるやりがいも魅力です。
転職を成功させるには、保育園の種類や必要なスキル、求人の選び方を理解することが大切です。理想の働き方を実現する一歩を踏み出しましょう!
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