口が痛くて泣く我が子を前に、「何なら食べられるの?」と途方に暮れていませんか。
これなら大丈夫だろうと思って用意した食事が、かえって口内炎を刺激して痛みを強くしているケースも少なくありません。痛みで食べられない状態が続くと、脱水症状を招くリスクもあります。
この記事では、手足口病で食べられない時期でもしみにくい食事の選び方から脱水のサイン、受診の目安まで解説します。
お子さんの痛みを和らげる食事のコツがわかると、食べられない状況への不安が軽くなりますよ。
手足口病で食べられないときは?口の中が痛い場合の対処法

手足口病で食べられないときは、口の中にできた口内炎への刺激を減らす工夫が必要です。
口内炎ができると、お子さんは食べ物の温度や固さ、味付けのわずかな刺激でも強い痛みを感じやすくなります。
食べ物の選び方やひと手間の工夫で、お子さんが食べられるものが増えていきますよ。
「冷たい・やわらかい・刺激が少ない」食事を選ぶ
手足口病で口が痛むときは、「冷たい・やわらかい・刺激が少ない」の3つを意識して食べものを選んであげましょう。具体的な食材を表にまとめたので、参考にしてみてください。
| 項目 | 理由 | おすすめ食材 |
|---|---|---|
| 冷たい | 炎症を起こしている場所を冷やし、痛みを一時的に和らげる | ゼリー、アイス、冷やした豆腐、プリン、冷めたおじや |
| やわらかい | 噛む動作を減らし、傷口に直接触れる刺激を減らす | 冷やした豆腐、茶碗蒸し、柔らかく茹でたそうめん |
| 刺激が少ない | 塩分や酸味によるヒリヒリとした刺激を抑える | 麦茶、経口補水液、薄めたリンゴジュース、牛乳・豆乳、薄めためんつゆ |
口の痛みが強い期間は、食材の温度や固さに気をつけ、傷口への刺激をできるだけ減らします。噛む力が弱っているときは、ポタージュのような「噛まずに飲み込めるもの」も取り入れてみてくださいね。
バナナもNG?柔らかくても口内炎を刺激する食べ物は避ける
バナナやヨーグルトは柔らかくても、口内炎を刺激してしまうケースがあります。「柔らかければ大丈夫」とは限りません。痛みが強いときには、刺激が強い食べ物や、粘り気・熱さ・固さのあるものは控えるようにしましょう。
| 種類 | 避けるべき理由 | 具体例 |
|---|---|---|
| 刺激が強いもの(酸味・塩気) | 傷口にしみて痛みが強くなりやすい | みかん、イチゴ、トマト、果汁100%ジュース、ポテトチップス、醤油味の濃いおかず |
| 粘り気があるもの | 口の中にまとわりついて痛みが長引きやすい | 完熟バナナ、ヨーグルト |
| 熱いもの | 炎症を悪化させる | 出来立ての味噌汁、スープ |
| 固いもの | 傷口をこすって痛みが悪化する | パンの耳、揚げ物、おせんべい |
バナナやヨーグルトは、口の痛みが落ち着いてきたら一口ずつ様子を見ながら試してみてください。痛がる様子がなければ、少しずつ量を増やしていきましょう。
スープや味噌汁は、ひと肌以下まで冷ますと痛い時期でも食べられる場合もあります。塩分を控えて薄味にする、ミキサーなどで具材をポタージュ状にするなどの工夫で刺激を抑えられ、お子さんの好きなメニューを刺激を抑えて取り入れやすくなりますよ。
お菓子でもOK!栄養よりも水分や糖分を優先する
手足口病で注意したいことは、口の痛みによって水分が摂れなくなる脱水です。食べられない時期は栄養バランスよりも、水分や糖分の摂取を優先しましょう。
アイスクリームやゼリー、プリンのように冷たくて口の中で溶けるものは、水分と糖分を補給しながら痛みも和らげてくれる救世主です。赤ちゃんせんべいや口溶けのよいクッキーも、唾液ですぐに溶けるため、口内炎への刺激を抑えられます。
「お菓子ばかりで心配」と不安になるかもしれませんが、口にできるならお菓子でも構いません。口の痛みが落ち着いてくると、お子さん自身が自然と普段の食事を欲しがるようになります。今は無理をせず、お子さんのペースに合わせてあげましょう。
脱水を防ぐ!ストローを嫌がるときはスプーンを活用する
手足口病で飲みものを拒否する原因の一つに、口の痛みだけでなく、ストローを使う際の「吸う動作」による痛みがあります。吸う動作で痛みを感じやすくなるのは、口の中に強い圧力がかかり、敏感な口内炎を直接刺激してしまうためです。
ストローを嫌がるときは、スプーンを使った水分補給を試してみてください。スプーンだと吸う力を必要とせず、痛い部分に触れにくいため、口の痛みが強い時期でも飲み込みやすくなりますよ。
| 項目 | ポイント |
|---|---|
| 材質 | ・プラスチックやシリコン製の柔らかいスプーンを使う ・金属製は口内炎への刺激が強い |
| 置く場所 | ・スプーンの先を舌の真ん中にそっと乗せる ・舌の先や喉の奥は敏感なため避ける |
| 飲ませ方 | ・1杯分(約5ml)の水分をゆっくりと口に運ぶ ・少量ずつ回数を分けて飲ませる |
| 姿勢 | ・あごを少し引いた姿勢を保つ ・上を向いた状態で流し込むと気管に入りやすい |
水分補給には、経口補水液や麦茶など、刺激の少ない飲みものを選ぶとよいでしょう。スプーンを口に入れることすら痛がるときや、おしっこの回数が極端に減ったときは、早めにクリニックを受診してください。
手足口病になると食べられないのは何日くらい?回復までの目安は3〜7日

手足口病で食べられない原因は、口の中の粘膜にできた水ぶくれが破れて口内炎になり、激しく痛むためです。皮がめくれた場所に食べものが触れる刺激や、料理に含まれる酸味・塩分・熱さが、大人でも涙が出るほどの痛みを引き起こします。
普段通りの食事ができるようになるまでは、トータルで3〜7日ほどと考えておきましょう。[2]手足口病の症状や痛みの強さには個人差があり、口内炎の数や場所によって回復までの時間も異なります。
| 時期 | 痛みの状態 | ケアのポイント |
|---|---|---|
| 1〜3日目 | ・口の中の痛みを強く感じやすい ・水分補給すら嫌がることがある | ・脱水に気をつける ・飲めるものを一口ずつ与える |
| 4日目以降 | ・鋭い痛みが落ち着き始める ・自分から食べものを欲しがるようになる | ・普段の食事へ戻す準備 ・おかゆやうどんなど消化の良いものから始める |
1〜3日目は食べることよりも水分を摂ることを優先し、おしっこの量や回数が減っていないか注意深く見守ります。
4日目を過ぎるころには口の中の粘膜が再生し始め、痛みが落ち着いてきます。お子さんがお菓子や冷たいもの以外の食べものに興味を示し始めたら回復のサインです。
無理をさせず、お子さんのペースに合わせて少しずつ普段通りの食事に近づけていきましょう。
手足口病で食べられないときの受診の目安は?脱水サインがあれば病院へ
食べられなくて受診を迷うときの目安は、おしっこが半日以上出ない、口の中が乾いているといった「脱水のサイン」が見られたときです。
手足口病そのものに特効薬はありません。しかし、喉の痛みで水分が摂れなくなり、脱水症状が進んでしまうと、病院での点滴や入院などの処置が必要になります。
厚生労働省のガイドラインでも、ご家庭で注意すべき観察ポイントとして以下の項目が挙げられています。[5]
- おしっこが半日(12時間)以上出ていない
- おしっこの量が少なく、色がいつもより濃い
- 唇・舌・口の中がカサカサに乾いている
- 泣いているのに涙が出ていない
- 目がいつもより落ち窪んでいるように見える
- 飲み物を受け付けず、ぼんやりしてぐったりしている
- 呼吸がいつもより荒い
これらの症状に一つでも当てはまる場合は、脱水が進んでいるサインかもしれません。
特に、おむつの重さは分かりやすい目安になります。おむつを替えるときに「ずっと軽いな」「半日以上濡れていないな」と感じたら、体内の水分が足りなくなっている証拠です。
呼びかけへの反応が薄い、座っていられず横になってばかりいる場合は、夜間や休日であっても、ためらわずに医療機関へ相談しましょう。
手足口病で食べられない!保育園の再開は普段通りの食事が目安
「お菓子なら食べられるから、登園しても大丈夫かな?」と迷われる保護者は多いです。早くお仕事に復帰したいという焦る気持ち、本当によくわかります。
ただ、登園を判断する一つの基準は、「保育園の給食をいつも通り食べられるかどうか」です。厚生労働省の「保育所における感染症対策ガイドライン」でも、登園の目安として「発熱や口腔内の水疱・潰瘍の影響がなく、普段の食事がとれること」が挙げられています。[4]
保育園の給食は、味付けや温度、固さがお菓子とは違います。お菓子しか受け付けない状態で登園すると、園で水分や食事が十分に摂れず、脱水を起こすリスクがあるのです。
給食がしっかり食べられるようになるまで、お子さんの様子を見守ってあげてくださいね。
手足口病で食べられない時期は必ず終わる!正しいケアで回復を待ちましょう
手足口病で食べられない時期は、お母さんにとっても本当につらい日々です。ですが、口内炎の鋭い痛みには終わりがきます。
今は「これなら食べられた!」というものを優先し、お子さんのペースに合わせてあげましょう。もし、脱水のサインや気になる症状があるときは、一人で抱え込まず、お気軽にクリニックにご相談ください。
【参考文献】
[1]がん情報サービス:口内炎・口内の乾燥
https://www.google.com/url?q=https://ganjoho.jp/public/support/condition/stomatitis/index.html&sa=D&source=docs&ust=1776090557180855&usg=AOvVaw2WXtBXj2H_-4g9krOlClac
[2]一般財団法人日本感染症協会:手足口病
https://id-info.jihs.go.jp/infectious-diseases/hand-foot-mouth-disease/detail/index.html
[3]日本医師会:夏かぜ(手足口病等)
https://www.med.or.jp/clinic/sick2011_natsu_kaze.html
[4]厚生労働省:保育所における感染症対策ガイドライン(2018年改訂版2023年5月一部改訂)
https://www.mhlw.go.jp/content/001005138.pdf
[5]厚生労働省:上手な医療のかかり方(子ども救急:主な症状と救急のかかり方)
https://kakarikata.mhlw.go.jp/assets/pdf/slide.pdf






コメント