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ワイヤー矯正の痛い期間はいつまで?ピークの時期と5つの対処法

ワイヤー矯正では想像以上に痛さに「いつまで続くの?」と不安になる方が多くいらっしゃいます。

痛みのピークは装着から2〜3日で、1週間程度で落ち着きます。矯正の痛みは辛いですが、ずっと続くものではありません。

ただし、痛みの期間や正しい対処法を知らないまま我慢すると、余計なストレスを抱え、処置が必要なトラブルを見逃してしまうかもしれません。

本記事では、痛みの具体的な推移や今すぐできる対処法、歯科医に頼るべきケースを解説します。

ワイヤー矯正の「痛い期間」はいつまで?ピークは翌日~3日後

「この痛み、一生続くんじゃないか」と不安になるかもしれませんが、ワイヤー矯正の痛みには期間と波があります。

痛みの経過を知っておくと「いつ楽になるか」の見通しが立ち、痛い時期を避けて食事の予定を組むといった工夫をしやすくなりますよ。

痛みはいつから始まる?

痛みの出方には個人差がありますが、装置を装着して約3〜6時間後から痛みを感じ始めます。

施術当日の夜から翌朝にかけて痛みが強まってくる方が多いでしょう。

最初は「歯が浮くような感じ」や「締め付けられる感覚」から始まり、徐々に「物を噛むと痛い」状態へと変化していきます。

痛みのピークはいつ?

痛みのピークは、装置を装着して2〜3日目です。歯を動かすために、歯を支える骨が作り変えられる働きが活発になるため、強い痛みが生じやすくなります。

具体的には次のような辛さを感じる方が多いです。

  • 上下の歯が触れるだけで痛い
  • 柔らかいものでも噛むのが辛い
  • 何もしていなくてもジンジンとした鈍痛がある

豆腐やうどんなど、普段なら「柔らかい」と感じる食べ物でさえ食べるのを辛く感じます。

痛みがピークのときは無理に噛もうとせず、スープやゼリーなどの噛まずに飲み込めるもので乗り切りましょう。

いつ頃から楽になる?

装置を装着して7日程度経つと、痛みが落ち着いてきます。[1]

「嘘のように痛みが消えた」「普通に食事ができるようになった」と感じる時期です。

ただし、ワイヤー矯正は月に1回程度の「調整」が必要になります。調整のたびに、装着直後の痛みを繰り返すことになりますが、2回目以降は慣れてくるケースが多いでしょう。

なぜ痛いの?矯正治療で生じる「2種類の痛み」

ワイヤー矯正中の痛みの原因は、「歯が動く痛み」と「装置が当たる痛み」の2種類です。

それぞれの原因を知っておくと、「順調な痛み」と「受診が必要なトラブル」を判断できるようになりますよ。

痛みの原因①歯が動く痛み

ワイヤー矯正の痛みの原因のひとつは、「歯が動く痛み」です。

ワイヤーで歯に力をかけると、歯を支える骨の作り変えが始まります。

古くなった骨を溶かし、骨を作り直すときに痛みの原因となる「プロスタグランジン」という物質が出るため、痛みを感じるのです。[2]

つまり、歯が動く痛みは、「歯が正常に動いている=治療が進んでいる」という証拠になります。

痛みの原因②装置が当たる痛み

装置が頬の内側や舌に当たって、痛みを感じる場合もあります。

  • ブラケットが唇の裏に当たり口内炎ができる
  • ワイヤーの端が飛び出して頬の内側に当たる
  • 装置が舌に擦れる

歯が動いて並んでくると、余ったワイヤーが後ろへ押し出され、頬の内側に当たって痛むことも。

装置による痛みは、歯の移動とは直接関係のない「傷の痛み」です。

傷の痛みは我慢せず、すぐに歯科医院を受診し装具の調整をしてもらいましょう。ワイヤーをカットしたり、曲げ直したりなどの調整で痛みは和らぎますよ。

痛すぎて辛い!今すぐできる5つの対処法

「痛くて何も手につかない」というときに、自宅ですぐに実践できる5つの対処法をご紹介します。

鎮痛剤(ロキソニン等)を服用する

痛みが強いときは、我慢せずに鎮痛剤を服用しましょう。

歯科医院で処方された痛み止めのほかに、市販のロキソニンやイブなどの鎮痛薬も効果的です。

「薬を飲むと歯の動きが悪くなる」という説も一部ありますが、短期的な服用であれば臨床上ほとんど影響はありません。

痛みによるストレスを抱えるより、薬で緩和させてしっかりと休養を取ることが大切です。

柔らかい食事を選ぶ

痛みのピーク時は、噛まずに飲み込める食事に切り替えます。

栄養不足は回復を遅らせるため、下記のような食べやすいものを工夫して摂るようにします。

  • おかゆ・雑炊
  • 柔らかく煮込んだうどん
  • 豆腐・茶碗蒸し
  • ヨーグルト・ゼリー・プリン
  • スムージー・プロテイン

一方で、硬い肉・繊維質の多い野菜(生野菜や根菜など)・せんべいなどは、痛みを強めるだけでなく装置が外れる原因にもなるため避けましょう。

患部を冷やす

歯が動く痛みは、炎症によるものです。

痛みがひどい時は、氷水を含んだり、濡れタオルで頬の外側から冷やしたりすると、血流を抑えて痛みを麻痺できます。

ただし、長時間冷やしすぎると血行不良により歯の動きが鈍くなる可能性も。
「痛みが強くて休めないとき」や「仕事に集中できないとき」など、一時的な対処に留めましょう。

矯正用ワックスを使う

装置が頬や唇の裏に当たって痛い場合は、歯科医院でもらえる「矯正用ワックス(保護用ワックス)」もおすすめです。

使い方はワックスを米粒大に丸めて、当たる部分のブラケットやワイヤーの上から貼り付けるだけ。

ワックスのおかげで装置が直接当たらなくなり、物理的な刺激をガードできます。

万が一、食事中にワックスを飲み込んでしまっても、害のない素材で作られているので問題ありません。

塩水うがい・口内炎パッチを使用する

装置が当たって口内炎ができてしまった場合は、口の中を清潔に保ち、早めに口内炎が治るようにつとめます。

塩水でうがいをすると、殺菌作用で痛みが和らぐことがありますよ。

市販の口内炎パッチも、痛みの緩和におすすめです。パッチを貼るときは、装置に干渉しない場所に貼りましょう。

【要注意】我慢しなくていい痛みと歯科医院へ行くべきケース

矯正中の痛みには「我慢すべき痛み(歯が動く痛み)」と「すぐに歯科医院へ連絡すべきトラブル」があります。下記のような場合は、次回の予約を待たずに受診しましょう。

  • ワイヤーの端が頬の内側に刺さっている
  • 装置(ブラケット)が外れた・壊れた
  • 激痛が1週間以上続く

ワイヤーが飛び出して刺さるトラブルは、歯が動くスピードが速い場合などによく見られる現象です。

「調整してもらったばかりなのに迷惑かな?」と遠慮してしまう患者様もいらっしゃいますが、決して迷惑ではありません。

痛みを我慢して口内環境が悪化するほうがリスクですので、遠慮なくクリニックへご相談ください。

「ワイヤー矯正痛い期間」に関するよくある質問

マウスピース矯正なら痛みはないですか?

マウスピース矯正は、ワイヤーのように装置が頬に刺さる物理的な痛みはほとんどありません。

しかし、歯を動かす以上、新しいマウスピースに交換した直後は、締め付けられるような痛みや圧迫感が生じます。

全く痛みがないわけではない点は理解しておきましょう。

痛みを悪化させる要因はなんですか?

痛みのピーク時に、長時間の入浴や激しい運動などの行動をとると、血流が良くなり痛みが強まります。

痛みを悪化させる要因には下記のような行動があります。

  • 長時間の入浴
  • 激しい運動
  • 食いしばり
  • 飲酒

痛みや装置が気になって舌や手で触ってしまいたくなりますが、患部を触りすぎると炎症が悪化する可能性があります。
痛みが強い2〜3日間は、できるだけ安静にして過ごすようにしましょう。

まとめ|痛みの収束と理想の歯並びへの道のり

ワイヤー矯正の痛みは、装着後2〜3日をピークに約1週間で落ち着きます。

歯が動く痛みは、歯が理想の位置へと動き出しているサインなです。

どうしても辛い時は無理せず、鎮痛剤や矯正用ワックスを使うと痛みが和らぎますよ。

ワイヤーが刺さる、装置が外れるなどのトラブルは、処置が必要になるので遠慮なく歯科医院にご相談ください。

鏡を見るのが楽しみになる未来へ向けて、体を労わりながら乗り切りましょう。

【参考文献】
[1]矯正歯科治療について|公益社団法人 日本矯正歯科学会
https://www.jos.gr.jp/about
[2]研究発表 – 矯正歯科デーモンシステム(痛みのメカニズム)|日本大学歯学部付属歯科病院http://www.damonortho.com/nitidai.html

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